君去りし後〜ダーリンがいない日〜作:TAITANさん

このお話は、9月の某日の話である。


キーンコーンカーンコーン
友引高校の昼休みのチャイムが鳴った。
しかし、2年4組は、静まりかえっていた。
一同の目には、信じられない光景があったからである。
その光景とは、あたるが弁当を食べている光景である。
「お、おい、あたる。お前、大丈夫か?」
「ん、何がだ?」
「だってお前、今日、早弁してないじゃないか。」
「それがどうしたって言うんじゃ。」
「い、いや、別に・・・・・。」
その時、面堂の目に、キズだらけのあたるの手が写った。
「おい、諸星、その手はどうした?」
「あ?なんでお前に答えなきゃいけないんだ?」
そう言って、あたるは、弁当の中に残っていたのを、すべて平らげ、
帰る準備を始めた。
「面堂。俺早びきするから、先生に言っといてくれ。」
「あ、あぁ・・・・・。」
「ダーリン、なんで帰るっちゃ?」
「お前には言えん。」
「どうせ、ガールハントしに行くっちゃね〜!」
「勝手に言っとれ。」
そう言って、あたるは、教室から出る。
その時、足を止めて、ラムを向いた。
「ラム。」
「何だっちゃ?」
「・・・・・じゃあな。」
あたるは、そのまま帰路についた。

 
諸星家2階
あたるは、私服を着た姿で、机の前にいた。
「・・・・・・・・・・。」
あたるは、机の上に、手のひらサイズの人形を置いた。
それは、似ても似つかないあたる人形であった。
「ラムの電撃は強力だからな。気をつけろよ。」
そう言って、あたるは部屋から出た。
  
 
夕方5時すぎ
ラムが帰宅してきた。
ラムは、2階のあたるの部屋に入る。
そこでラムは、あたる人形を見つけた。
それを手に握り、ラムは、1階へ下りる。
「お母様、ダーリンは?」
「さぁ。まぁ、腹が減ったら戻ってくるでしょう。」
しかし、その日、あたるは帰ってこなかった。
 
 
翌日、ラムはあたる人形をカバンの中に入れ、登校していた。
その日の昼休み・・・・。
「どうしたんですか?ラムさん。元気がないようですが・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「もしかして、諸星がいなくなったのでは?」
「!! な、何で分かったっちゃ?」
「その手に持ってる人形ですよ。」
そう言って、面堂は、ラムが手に持っているあたる人形を指した。
「その人形、どことなく諸星に似てますからね。」
「・・・・・・・・・・。」
「僕は、ラムさんの悲しい顔を見たくありません。
面堂家の私設警察に捜査をさせましょう。」
「・・・・お願いするっちゃ。」
  
 
数分後、友引高校のグラウンドに、面堂家私設警察が待機していた。
「いいか、貴様ら!面堂家私設警察のプライドにかけて、
草の根を分けてでも、諸星を探し出せ!!」
しかし、私設警察の行った行動は・・・・・・。
「誰が草刈りをしろといったーーーーーー!!!」
「だから、草の根を分けております。」
「アホかーーーーーー!!」
「いまごろ、草葉の陰にいたりして・・・・・・。」
その後、そう言った部下は、ラムの電撃を食らったのは言うまでもない。
 
 
その後、私設警察は、上空、地上、海中をくまなく探したが、見つからなかった。
「上空500メートルのところにはいませんでした。」
「硫黄島にはいませんでした。」
「琵琶湖でも見つかりません。」
「お前ら、どこを探しとんじゃ。」
「ダーリン・・・・・・。」
ラムは、青空をずっと見ていた。
 
 
そのころあたるは、亜空間にある「あしゅら湯」にいた。
「よく2日間頑張りましたね。」
「いえいえ・・・・・。」
その時、あしゅら湯主人は、あたるが手に持っている機械に気付いた。
「何ですか、それは?」
あしゅら湯主人は、その機械を奪った。
「あ、駄目ですよ!!」
あしゅら湯主人は、機械のスイッチを押した。
その時、
「う、うっ、うっ、うっ・・・・・・。」
機械のスピーカーから、女のすすり泣く声が聞こえた。
「わ!な、何ですか、これは!?」
「ははははははは・・・・。返して下さい。」
そう言って、機械を奪い取り、スピーカーのボリュームを落とした。
「と、とにかく、2日分の給料です。
日本円にしときましたから。」
「はい、ありがとうございます。」
そう言って、あたるは給料をもらった。
「では、失礼します。」
そう言って、あたるは、あしゅら湯から出た。
  
 
そのころラムは、あたるの部屋の2階の押し入れの中にいた。
そこで、ラムは、あたる人形を、両手で持って、泣いていた。
「なんで、なんで、いなくなったっちゃ・・・・・・。
こんな人形を置いて・・・・・・・・。
ダーリンのバカ・・・・・・・・。
何も言わないで、いなくなることないのに・・・・・。」
 
 
「ラム・・・・・。」
あたるは、亜空間を歩いていた。
そして、歩きながら、機械から聞こえるラムの声を聞いていた。
「すまないな・・・・。ラム。」
 
 
翌日、ラムは1人で登校していた。
いつも隣にいるはずの、好きな人はいない。
それだけでも悲しかった。
「はぁ・・・・・・・。」
ラムは溜め息をつく。
その時、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ラム。」
「!!」
ラムは、後ろを振り向いた。
そこには、学生服姿のあたるがいた。
「ダーリン・・・・・。ダーリン!!」
ラムは、泣きながらあたるに抱きついた。
あたるは、抱きついたラムを、やさしく抱く。
「すまないな、心配かけて・・・・・。」
「ダーリンの・・・・、バカ・・・・・・・。」
「さ、学校へ行くとするか。」
「うん!!」
そして、いうものように登校する2人。
そのとき、あたるの手には、きれいにラッピングされた箱を持っていた。
その中身は、皆さんのご想像におまかせしよう・・・。
 
 おわり
 
 
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