―時代―作:青井いぶきさん

 
「はぁ〜勉強が手につかない・・・・私、高校行けるのかな?」

 
『犬夜叉、どうしてるかな・・・・はっ、いけない、いけない。もうあっちのこと考えても意味無いんだった・・・・

 どんなに考えたって、もうあっちにはいけないもんね・・・』

 

「あぁー、もうねよっと」

かごめはベットの上に倒れこんだ。


                  〜三ヶ月前、私は骨食いの井戸の前で会ってしまった・・・〜

                               桔梗に・・・・
 

「!?桔梗・・・・どうしてここに?」

「・・・・お前、なぜまだこの時代にいる。奈落もこの世から消え
 四魂の玉も全て集まった。もうお前はこの時代に、必要のない人間だ」

「でっでも、四魂の玉を浄化しなきゃいけないし、犬夜叉も・・・」

「四魂の玉は私が浄化する!それにお前はこの時代の人間ではないはずだ。犬夜叉のことは忘れろ!!」

「それなら桔梗だって!!」

「確かに、私は死人だ。この世の者ではない。だがこの時代に必要とされて蘇った・・・。
それにもとは、私と犬夜叉が愛し合っていたのだ・・・・本当ならば私が犬夜叉のそばにいて心を癒すはずだったのだ」

「・・・・・」

「わかったら今すぐにでもお前の時代に帰れ!!」

「・・・せめて別れを言ってからでもいいでしょ」

「・・まぁいいだろう永遠の別れだからな」

どんな形にしろこの事はいずれ通らなくてはいけない道だった・・・

 

仲間に、犬夜叉に別れを告げるべく楓の小屋に向かった。

「あっかごめちゃん、お帰り」

「おそかったのぉかごめ」

「ほれ、早く来い、楓おばばが夕飯を作ってくれたぞ」

「どうしました?かごめ様」

     『優しく声をかけてくれる仲間とももうすぐお別れね・・・』

「犬・・・夜叉は?」

「犬夜叉ならたぶん御神木のところだと思いますが・・・」

「何かあったの?かごめちゃん」

「・・・実は」

       さっきの出来事を全て話した。

「では、かごめ様は明日、帰られてしまうと?」

「うん」

「そんな、急すぎるよ。明日でかごめちゃんと別れるなんて・・・」

  珊瑚はそう言うと泣き出してしまった。

「珊瑚ちゃんごめんね、でも泣かないでいずれこうなる運命だったのよ・・・」

  しばらく沈黙が続いた・・・その沈黙を破ったのは楓だった。

「今日は、もう遅い、床に入るとしよう。かごめも明日の朝すぐに帰るわけではなかろう?」

「では、楓様のお言葉に甘えて、床に入るとしましょう。」
 結局その日、犬夜叉は帰ってこなかった・・・・
 あっという間に時間がたちもう昼過ぎであった。




「いくのか?かごめ」

「そんな七宝ちゃん、泣かないで」

「かごめちゃん、またいつか帰ってきてくれるよね?」

「ううん。帰ったら井戸を封印するわ」

「しかしかごめ様。犬夜叉に言わなくてよろしいのですか?」

「うん、きっと犬夜叉の顔見たら泣いちゃうもん。」

がさっ

草木を掻き分ける音がした

「かごめっ!!」

「!!いっ犬夜叉・・・」

かごめの目から涙があふれ出た。

「楓ばばぁから聞いた。本当に帰っちまうのか?」

「・・・うん」

『帰ってくるよな?お前がいなきゃ俺・・・』

「ごめんね・・・もうこっちには来ない。だって私この時代の人じゃないもん」

「?どういうことですか、かごめ様」

「私、ここより500年前の未来からきてるの」

「んなこと関係ねぇ!!そっそれに四魂の玉はどうすんだよ。」

「・・・桔梗が帰ってくる」

「もしかして桔梗になんか言われたのか?」

「・・・ううん、違う」

つい桔梗をかばってしまった。だって桔梗のせいにしたら犬夜叉は・・・・

「かごめ、聞いてくれ・・・。俺にとってお前は大切な人だ。
 桔梗よりもなによりもお前が大切なんだ、好きなんだ!!」

その言葉を聞いた瞬間かごめの目から大粒の涙がこぼれ落ちた・・・・

「その言葉もっと早く聞きたかったな・・・・」

「かごめ・・・」

「ごめんね、みんな。そして、犬夜叉」

かごめは犬夜叉にそっと近づき、口付けを交わした・・・

「サヨナラ」

そういい残すとかごめはいどのなかに消えた。そして二度と姿を現すことはなかった・・・・

 


「犬夜叉。」

桔梗が呼んでも返事をしない。

あきらめたのか桔梗は村に戻っていった

しばらくして珊瑚が来た

「ちょっと犬夜叉。またそれ見てるの?」

「・・・珊瑚か」

珊瑚が言った『あれ』と言うのはかごめが帰るとき珊瑚に預けていった

銀のブレスレットだった

「なんでかごめはおれにこんなもの渡したのかな・・・」

「・・・・あのね、かごめちゃんに言わないでっていわれてたんだけど・・・」

「?」

「それを私に預ける時・・・

『もしも未来で会えた時の目印に』って言ってたの・・・」

「かごめ・・・。珊瑚ありがとな、決心 ついたぜ」

そう言うと立ち上がり村めがけて走り出したそんな犬夜叉の姿をみて・・・

「さてと、法師様に言って準備しなくちゃ」

犬夜叉は村につくとすぐに桔梗の元へ行った

「桔梗!!」

「・・・犬夜叉。どうした?」

「頼む・・。俺を、俺をかごめの国に行かせてくれ」

「かごめの国に、いや未来に生まれ変わるのか?」

「いや、違う。先に時代(とき)を進んでかごめの国に行くんだ。だから四魂の玉を使わせてくれ!!」

「いいだろう。私がその儀式を行う」

「!!ありがとう桔梗!」

「明日の朝でいいな?」

「あぁ」

『いってしまうのか、犬夜叉・・・。おまえは私ではなくかごめを愛しているのだな・・・』

 

 

ジリリリリリリリリリッ!!  カチャッ

「ふぁぁああ・・・よく寝た・・ってまだ6時!?珍しく早く起きたな。」

かごめはベットからでると制服に着替え始めた。

着替え終わると下に降りていった。

「おはよーママ」

「あらかごめ、おはよう。今日は早いのね」

「うん、珍しく早く起きれたの。何かあるのかな?」

「かもね、もしかしたら嵐がくるのかもvvかごめが遅刻しないから(笑)」

「もう、ママったら!」

「そんなことより、せっかく早く起きたんだから、学校にも早く行ったら?」

「そうね、ちょうど今日、日直だから早く行くね」

そう言うとかごめはテーブルの上にあるパンをほうばりすぐに家を出た

「ひっふぇふぃはぁーふ(いってきまーす)」

外に一歩出ると心地よいかせが吹いていた

 

 

「・・・であるから・・・・して・・・と言うことだ」

学級のホームルーム中かごめはボーっとしていて、先生の話を聞いてなかった

「では、転入生を紹介する。入れ」

ガラッ

教室の扉が開いた。すると黒髪で長髪の男がでてきた

そんなこともお構いなしにかごめはただ窓の外を見て遠い世界に居るいとおしい人のことを考えていた

『犬夜叉・・・ブレスレットちゃんともってくれてるかな・・・?』

「えぇっとこいつの名前は・・・って君!!どこにいくんだ!」

男はかごめの前まで歩いてくると立ち止まった

「かごめっ」

「ふぇ?」

いきなり名前を呼ばれたため情けない声を出してしまった・・・だが男の顔を見たとたん

開けっ放しだったかごめの口はある人の名前を発した。

遠い世界に居るはずのあの人の名を・・・・

「いっ犬夜叉な・・・の・・・・?」

「ちゃんと目印になってるだろ、コレ」

そう言うと犬夜叉は銀のブレスレットを見せた

「ちゃんと持っててくれたんだね・・・」



―また、貴方と同じ時代を歩いてゆけるのね・・・―

 

―もう、離れたりしないでくれ・・・・―

 

 二人の心がひとつになった・・・・・




〜終わり〜



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