「秘湯探し・・」作:ねこのしっぽさん


秋深し・・。
山奥山の獣道・・なき道を徘徊するカップル二組。
「てめえ、方向音痴が直ったって言うのは嘘か!」
「おかしい,確かこの辺りなんだが・・」
必死に紅葉を見回す良牙に乱馬の怒りも爆発寸前である。
ブタも入れる秘湯を探し当てたと言うので付いて来てみれば
この有様である。焦る良牙の横に自然に寄り添ってるのは
あかりちゃん。乱馬の側には言わずもがなのあかねである。
「ちゃんと地図のとおりに来たはずなんだが・・」
「ああ?!」
良牙の地図を覗きこんだ乱馬の声が爆発した。
「まだ落書きの癖が直ってねえじゃねえか!!」
乱馬の拳をバンダナで受け止める良牙も必死である。
「待て乱馬、俺も近頃は学習能力を身につけた。今回は
土産売り場で買った市販の地図も持参だ。」
懐から揚揚と地図を取り出す良牙に稲妻が落ちた。
「日本地図持ってきてどうすんだ、てめえは!!!」
地面にめり込んだ良牙に構わず歩き出す乱馬とあかねである。
良牙を気遣うあかねであったがあかりが付いているので
大丈夫だと思う。
「あのバカを信じた俺がバカだったぜ。」
哀れ良牙に寄り添うのはブタ、いや良牙命のあかりだけ
である。
「良牙さま・・大丈夫ですか?・・」
あかりの言葉はまさに女神である。無粋な乱馬はどうでも
いいが自分を信じて付いて来てくれたあかねとあかりを
落ち葉の中に埋もれさせる訳にはいかない。・・が悔しい
事に自分に出来る事は何もなし。
足早に歩く乱馬をさすがにあかねが留めた。
「ちょっと乱馬、少し待ったほうが良いんじゃない?」
途端後方で爆発音が響いた。
「また爆砕点穴で遊んでやがる!」
いきなり美しい紅葉を白い靄が包むと二人に熱いお湯が
降り注いだ。
「あ、あつい!?ちょっと乱馬これ・・!!」
二人の後ろに真っ白い湯柱が上がっている。
「あのバカ温泉掘り当てやがった・・!」
四人の楽しい湯治はこれからである・・・。

                   おわり





<戻る>












SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送