「五寸釘除霊事務所」作:TAITANさん


僕の名は、五寸釘 光。
自分で言うのもなんだけど、世界一のオカルトマニアだ。
僕は、風林館高校を卒業した後、世界1周の旅に出た。
目的は、世界の魔術、呪術、精霊術などを学ぶため。
そのおかげで僕は、除霊ができるようになった。
日本に帰国した僕は、2年後、除霊事務所を開いた。
 
 
 
某ビルの2階にある、「五寸釘事務所」。
僕はそこで、除霊の仕事を受けている。
前金と除霊料で、この事務所を経営している。
僕は、朝の新聞を読みながら、モーニングコーヒーを飲んでいた。
その時、事務所のドアが乱暴に開いた。
「ちょっと、入るわよ!」
今、事務所に入ってきたのは、事務所の隣にある神社の巫女、早乙女乱華くんだ。
言っておくけど、僕の知り合いの早乙女乱馬くんとは、何も関係ない。
乱華くんが、この事務所に来るのは、いつものことなんだけど・・・・。
「また、仕事かい?」
「あら?よく分かったのね。」
「いつものことだから・・・・。」
「あ、そう・・・・。」
「ところで、今回の仕事は?」
「あ、そうそう。今回の仕事はね・・・・。」
 
 
 
仕事の内容は、こうだった。
ある1人の女性が、突然倒れたらしい。
別に身体に悪いところは無く、ただの疲労だということになった。
しかし、その女性の具合はどんどん悪くなっているらしい。
その女性の夫は、藁にもすがる思いで、除霊を頼みに来たらしい。
 
 
 
「なるほど・・・・・・。」
「前金はもうもらってるから、断れないわよ。」
「除霊料は、7:3だからね。」
「・・・・・せめて、6:3にしてよ・・・・。」
「仕方ないなぁ・・・・・・。」
「じゃ、行こうか!」
「え?もしかして、除霊、今日なの?」
「えぇ、そうよ。」
「・・・・はぁ〜。」
仕方なく、僕と乱華くんは、仕事を頼んできた人のいる家に向かった。
しかし、その家で、思わぬ人と再会することになった。
「五寸釘・・・・・・・・。」
「さ、早乙女君・・・・・・。」
そう、仕事を頼んできたのは、風林館高校の同級生、
早乙女乱馬君であり、その家は、天道家だったのである。
「じゃあ、倒れた女性というのは・・・・・・。」
「あぁ、俺の妻のあかねだ。」
 
 
あかねさんは、布団の上で、横たわった状態であった。
「1週間経っても、意識が戻らないんだ。」
「・・・・・・かすかに、霊の気配がするわね・・・。」
「あぁ、多分悪霊がとりついているんだろう・・・。」
「五寸釘君、うちのあかねは、助かるのかい!?」
「心配しないでください、あかねさんのお父さん。
悪霊を退治すれば、あかねさんの意識は、戻るでしょう。」
「頼むよーーーーーーー!!」
「俺からも頼む。俺のあかねを、助けてくれ。」
「分かってるよ、早乙女君。」
そう言い終えると、僕は、自分の右手を、あかねさんの額にのせる。
「乱華くん、頼むが結界を這って、その中に、早乙女君たちを入れてくれないか。」
「分かったわ。」
そう言って、乱華くんは、結界を這り、その中に、早乙女君たちを入れる。
それを確認した僕は、呪文を唱えた。
「ミン、アーダラクン、レイ、ユートス、アイレナガ・・・・・。この者にとりつきし悪霊よ。姿を現わせ。」
呪文を唱え終わると、あかねさんの口の中から、黒い煙が出てきた。
その黒い煙は、じょじょに人型に変わり、気づいたときには、女性の姿になっていた。
(なぜ・・・・・、私の邪魔をするの・・・・?)
「君がこの女性を苦しめるからだ。」
(この女性は、私の恨みを受けたのよ。)
「恨み?」
(私の大好きな人を奪ったことに対する、私の恨み・・・・。)
「・・・君は、早乙女君が好きなのかい?」
(そうよ。私は乱馬君が好きだった。それなのに、この女は、私の乱馬君を奪ったのよ!)
「言っておくけど、乱馬君とこの女性は、お互いに愛し合っていた。」
(ウソをつかないで・・・・・・・。)
「ウソじゃない。早乙女君は、この女性を守ろうとしている。
もう、君が入るスペースはもう無いんだよ。」
(ウソを・・・・、つくなーーーーーー!!!!)
女の悪霊は、怒り狂って、僕に襲いかかってきた。
その時、乱華くんが、悪霊に、護符を貼った。
「身動きを取れなくさせたわ。」
「ありがとう、乱華くん。」
僕は、乱華くんにお礼を言った後、悪霊に向かって、呪文を唱えた。
「生物の乾きを潤す水の神、あらゆるものを支える大地の神、
世界を吹きあれる風の神、赤く燃える炎の神、そして、
世界に光を与える天の神よ!この忌まわしき霊を、浄化したまえ!!」
呪文を唱え終わると、悪霊を、光が包んで行く。
(た、助けて・・・・・・・・。)
それが、悪霊の言った最後の言葉だった。
 
 
「う、う〜ん・・・・。」
「あ、あかね!!」
「乱馬、どうしたの?それに、五寸釘君もいるし・・・・。」
「あかねさん、あなたは、悪霊にとりつかれていたんですよ。」
「悪霊に?」
「そうやら、生き霊だったみたいでしたけど・・・。
まぁ、除霊は成功したので、もう大丈夫です・・・・。
しかし、油断はしないで下さい。
また同じことが起こるかも知れませんから・・・・・。」
「ありがとな、五寸釘。」
「いいえ、これが僕の仕事ですから。」
その後、僕は、除霊料10万円をもらい、天道家を後にした。
「たったの10万円なの?」
「文句があるんだったら、あげないよ。」
「じ、冗談よ。」
「さて、ラーメンでも食べるか。」
「もちろん、あんたのオゴリね。」
「分かったよ・・・・・・。」
こうして、僕たちは、屋台のラーメン屋に行くため、街の中へ消えたのだった・・・・。
 
 
 
 
 
<戻る>









SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送