「絆のかたち」 作:ネコこたつ、挿絵:みいさん
ここは銀河系宇宙空間V−TOL、冥王星の近くらへん。 1隻の航行中の船があった。海王星所属の旅客船であった・・・・・・ 「お雪ちゃん、わざわざこんな豪華客船に 招待してもらってホントに悪いっちゃね〜」 「あら、ラム。ぜんぜん気にすることなくてよ。 新しく開発したばかりの小型旅客船の乗り心地を地球のみなさんにも 乗ってもらって味わってもらいたかったの」 微笑みながら、そう答えたのはラムの惑星小学校からの親友 海王星の王女お雪だった。 「ほ〜んと、お雪がどケチのお雪がタダでご招待なんでめずらしいよな〜」 「まったくねぇ〜」と、弁天とラン。その瞬間 (・・・・・・・ヒュ〜〜〜〜・・・・・・・) 「う、寒!ま、待てお雪、何でもないったら!」 「レイさ〜〜ん!ご飯食べさせてあげる〜〜」(タタタタタ・・・・・) 「こ、こらまてラン!逃げんな〜〜!」 「相変わらずだっちゃね〜」と、あきれ顔のラム 「それにしてもラムさん。今日はわざわざ僕達まで呼んでくださってありがとうございます! お雪さんも、こんなステキな船にご招待いただいてもらって、すみません。こんな美しい方々にお誘いいただけるなんて、光栄だなぁ〜」 諸星に負けず劣らずの煩悩の持ち主、面堂が現れた。 「終太郎こそ、料理とか持ってきてもらって悪いっちゃね〜」 「いえいえ、ほかならぬラムさんの頼み。こんなこといつでも・・・(ブギャル!)」 「ラムさん!今日は我々4人組みをご招待くださって、ありがとうございます!」 面堂をふんづけながら、ラム親衛隊であるメガネ達4人組みは感激していた。 「メガネさん達も、楽しんでほしいっちゃ!」 「はい!それはもう!我々はラムさんさえいればたとえ地獄だろうが諸星の家だろーが 桃源郷にいるかのような・・・・・・」 (ガバッ!) 「無礼者ーーー!!!そこになおれーー!」 面堂がようやく飛び起き、真剣を 振り回しながら、メガネ達を追い回していた。 「ほ〜んと、こっちも相変わらずっだちゃね〜」 呆れ顔と笑いを同時にしながら、ラムはふと諸星がいないことに気がついた。 「しっのっぶ!今日はいちだんとキレイだねぇ〜♪」 「や〜ね〜あたる君ったら。・・・でも、この手は離しなさい!」 諸星の幼なじみの三宅しのぶは、その怪力でおもいっきし諸星をふっとばした。 「どわっ!(ヒュ〜〜ン)あ!竜ちゃ〜〜ん!」 (ミシッ!) 「う!うめえ!やっぱ金持ちの食事はちがうな〜!」 食事をしながら、竜之介の腕はしっかり諸星の顔面に鈍い音をたてていた。 「う〜ん、つれないな〜!しのぶも竜ちゃんも。あ!サクラさん!サクラさーん!その 胸で僕を癒してくれ〜!」(タタタタタッ!) 「え〜い!うるさい!食事のジャマじゃ!静かにしとれ!」 (バキッ!) 宇宙の胃袋を持つ保険室医サクラは、料理をがっつくのに集中していた。 しかし、諸星の顔面に激しいクラッシュ音をなり響かせるのに、問題はなかった。 「いたたたぁぁ!サクラさんもキビシイなぁ〜!」 「ダ〜〜リン!どこだっちゃーー!?」 (ヒュ〜〜〜ン) 「ラムちゃん、どうしたの?」 不思議そうの聞いてきたのは、諸星の友達(悪友でもある)、白井コースケだった。 諸星とは付き合いが長いので、何が起こってるのかは大体察しがついていた。 「ダーリン探してるっちゃ!どこにいるか知らないっちゃ?」 「(やっぱりね・・・)あぁ〜、あたるの奴なら、さっきその辺を飛んでたよ」 「ありがとだっちゃ!ダーリン、どこにいるっちゃー!」 (ヒュ〜〜〜ン・・・・・) 「まぁ〜〜ったく、あの二人は進歩って言葉を知らんのかなぁ〜」 「ね〜ね〜、しのぶ。今度の日曜、映画見にいこうよ〜♪」 「いやよ、日曜は因幡さんと約束があるんだから」 「なにぃ!くっそ〜因幡のやろ〜!ジャマしてくれるわ!」 「ちょっと!やめてよあたる君!」 と、その瞬間 「ダーリン、見つけた!ま〜たいろんな子にちょっかいだしてたっちゃね〜!!!ウチとゆーものがありながら!ゆるせないっちゃーーーーー!」 「わ、や、やめろラム!あぁ〜〜〜!!!」 (バリバリバリバリバリーーーー!!!!) 「この二人、ほんとに変わんないわねぇ〜」と、しのぶ。 「まったくのー!(ムシャムシャ)」 サクラはがっつきながら、横目で答えた。 ・・・・・・・ 「ダーリンなんて、どーせウチがいなくなっても悲しんでくれないっちゃね!」 黒焦げになりながらも、諸星は反抗した。 「おーおー、どぉあ〜れがおまえなんぞ・・・(ブギャル!)」 「(ハモリ声で)僕が悲しみます!」 諸星を踏み潰しながら、面堂やコースケ、メガネ達や他もろもろは言った。 「何すんじゃーい!貴様ら!だいたい、なんで面堂やメガネがいるんだよ!」 「諸星!きさまとこの美しい女性達をいっしょにすると、どうなるか解かってるからな。」と、面堂 「まったくだ!あたる!きさまだけにいい思いはさせんぞ!迷惑行為はやめんか!」 「何!?いつ俺が迷惑を働いたとゆーんだ!あ、弁天さま〜〜♪ランちゃん、お雪さ〜〜ん♪」 「そーゆーのを迷惑って言うっちゃーーー!!!!」 (バリバリバリバリーー!ピッシャーーーン!) そしてまた、諸星は黒焦げになり果てたのだった・・・・・ −その頃、艦長室では・・・ 「艦長、航行は順調です・・・・・アレ?」「どうした?」 「いや、ディメンションスタビライザーになにやら異常が・・・・」 「うわ!レッドサインじゃないか!なぜもっと早く言わん!だ、だめだ!もう間 に合わん〜!!!」 (・・・・・ドッカ〜〜〜〜ン!!!!!・・・・・・・) みんなが楽しく食事をしている時 緊急の船内放送が鳴った。 <機関室で大規模な火災が発生しました。燃料庫に誘爆する危険があるため、係員の指示にしたがってただちに小型緊急艇乗り場へお急ぎください> 「おいお雪、大丈夫なのかよ?」 「まぁ、大変」 「おま〜な〜!まぁいいや、それより、早く乗り場へ急ごうぜ!」 弁天は言うやいなや、緊急乗り場へとかけだしていた。 クラスのみんなも、それに続く。 ・・・・・10分後・・・・・・ 皆、ようやく緊急乗り場へとついたように見えたが、誰かが足りない。 「む?おかしいな、諸星のやつならこんな状況におちいっても、ぜったい女性にちょっかいだすはずなのに・・・」 不信に思った面堂は、ラムに聞いてみることにした。 「それが、ウチもさっきからずっと探してるんだけど・・・」 ラムもよくわからないようだった。 その時、弁天が「諸星のやつならランを助けにいったぜ!」と言ってきた。 「ランちゃんを?助けにってどうゆうことだっちゃ!?」 「いやぁ、なんでも第7区画あたりでランの奴ケガしちまったらしく、動けなくなったらしいんだ。で、諸星のやつが助けに行ったらしいんだが・・・」 (しかしランはその頃、近くにあった脱出カプセルに乗って船を脱出したらしかった。) 「ウチ、ダーリンを探してくるっちゃ!」 「僕も行きます!ラムさん!」面堂も手伝おうとした。が・・・ 「そいつぁ〜やめとた方がいいぜ。」 「なぜです?弁天さん。人数が多い方がいいのでは?」 「この船には、二人のり脱出カプセルが、2つしか備え付けられてないのよ。 ランが一個使っちゃったってことは、残りは一個、つめても2人しか乗れないの。」 「もし、爆発しそうになったら、この緊急艇だけだけでも脱出しないといけねーからな。 お前がいくと、3人になって、一人カプセルに乗れない奴が出ることになるんだよ。」 ・・・実際、弁天の言った事は本当だった。いつこの船は爆発してもおかしくない。 「ウチ一人で探してくるっちゃ!」 「そんな、ラムさん・・・・ご無事で!」 「いいこと、ラム。15分たっても見つからなかった場合は、あきらめてカプセルに乗りなさい。後で、必ず回収してあげるから。」 聞くやいなや、ラムは第七区画への方向へ飛んでいっていた・・・・諸星のいるはずの・・・ ・・・その頃、諸星は・・・・ 「うん?イテ、イテテ。頭おもいっきしぶつけたからな〜」 後ろから落ちてきた物に頭をぶつけて、少し気を失っていたのである。 「くそ!ここはどこだ?ランちゃんはどこにいるんだ・・・・」 少し探して、脱出カプセルが一個なくなってることに気づいた。 (「ランちゃんは自力で脱出したのか。よし、俺もはやく乗り場に行って・・・・」) そこまで言って、ハッと気が付いた。今、自分がどこにいるのかさえわからないのだ。 「くっそ〜〜、俺もここまでか〜〜・・・・・」 その瞬間、遠くで声がした。 「・・・ダーリン・・・ダーリン・・・」 「ラム!?ラムーーー!!!お、おまえどうしてここに?」 「何言ってるっちゃ!来なかった方がよかったちゃ!?」 「そんなことはない。・・・ありがとう、来てくれなきゃ死んでた」 が、爆発までもう時間はない。 「ダーリン!乗り場まで戻ってる時間はもうないっちゃ!最後の脱出カプセルに乗るしか!」 「わかった!急ぐぞ!」 二人は最後のカプセルがある場所へと走った・・・・ −その頃− 「ラムと諸星のやつ、大丈夫なんかな?」 「そろそろこっちも出ないと危ないわ、弁天。つらいけど、二人が脱出カプセルに乗るのを祈るしかないわ。」 今にも船は爆発しそうな雰囲気だった。たまに、小規模の爆発も起きる。 「そうだな、しょうがねぇ、こっちも出るぞ!(・・・ラム、無事でいろよ)」 (ズカーン!) 「どわぁ!大丈夫か、ラム?」 「ケホッ!ゴホッ!だ、大丈夫。カプセルはこの先、つきあたりにあるはずだっちゃ」 突然、諸星は立ち止まり、ラムの方を向いて言った。 「なぁ、ラム。おまえ、確か「ウチがいなくなっても悲しんでくれない」みたいなこと、言ってたよな?」 さっき、ドタバタ騒ぎの時、ラムが言ったこたばを指してるらしかった。 「う、うん、確か。それがどーしたっちゃ!?」 ・・・こんな緊急時に、何を?と思いつつ、といあえずラムは問い返してみた。 「・・・・いや、あのな・・・・」 その瞬間、二人の後ろでものすごい爆発とともに爆風が飛んできた・・・・・ ・・・・・・・「ハッ!こ、ここは!?」諸星は目が覚めた。 「ダーリン安心するっちゃ!弁天達が乗っていた緊急艇の中だっちゃ!うちら、助かったっちゃ!」 爆風に吹っ飛ばされた先に、運よくカプセルがあり、気を失った諸星をラムがカプセルに乗せて、二人で脱出したのだった。 「ラムさん、無事でしたか!よかった。まったく、諸星、きさまの生命力はゴキブリ以上だな。」 「よかったですね〜ラムさん。あたるはどーでもいーとして・・・」 面堂とメガネがそれぞれラムに対して言った。 「おま〜らな〜〜!」 「まーったく、ラムもとんだ災難にまきこまれたよな〜」 「でもラム、なんでそんなに嬉しそうなの?」 「あ!弁天様〜♪お雪さん〜♪僕のことを心配して来てくれるなんて(ミシッ!)」 大変な目にあったばっかりだというのに、ラムはなぜだかニコニコしている。 「な〜んでもないっちゃ!ね、ダーリン?」 「う、うるさい!おわっ!面堂!何をする!!メ、メガネ!や、やめろ〜〜!」 「うるさ〜い!貴様、ラムさんと何があったー!」 「何でもないっつーに!あ、ランちゃ〜〜ん!心配したんだよ〜!しのぶ!心配して見に来てくれたのか!なんていじらしいんだ!!!」 「ダーーリン!!!!」
〜終わり〜 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
どわぁ!大丈夫か、ラム?
ケホッ!ゴホッ!だ、大丈夫。カプセルはこの先、つきあたりにあるはずだっちゃ なぁ、ラム。おまえ、確か「ウチがいなくなっても悲しんでくれない」 みたいなこと、言ってたよな? う、うん、確か。それがどーしたっちゃ!? ・・・・いや、あのな・・・・ 何?どーしたっちゃ、ダーリン? ・・・お前がいなくなったら、俺が悲しむ。・・・・
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||