「とっさ日記」作:kounoさん



ある日偶然それは私の目にとまった。


 珍しく文芸雑誌を見ていた私は、思わず感嘆の声を上げた。
 「ほぉ!」
と、空かさず。
 「ダーリンどうしたっちゃ?」
覗き込むラム。
 「小説?優勝賞金100万円?」
 「ダーリン小説なんか書けるのけ?」
私は強く反論した。
 「アホ!おまえは俺の文章表現力を知らんのか?何時も日記読んどるくせに。」
テンがのたまう。
 「ラムちゃん、こいつ日記なんか書いとるん?」
 「そうだっちゃよ。毎日かかさずかいてるっちゃ。」
 「気持ち悪ぅ。」
私はやや憮然としてテンを可愛がりながら。(グリグリ)
 「もうそのネタは終わってるんだ、今更しつこいぞ。」(4巻2参照)
 「なんでやねん!ワシ今始めて聞いたんやんけ、なんじゃその目は、やるんか!?」
私は愛用のフライパンを引き出しから取り出すと戦闘態勢は整ったのだが。
 「テンちゃん。ダーリンをちゃかすのやめるっちゃ!」
邪魔者が入ってしまった。
 「ダーリンが日記書くの止めたらうち困るっちゃ。浮気の実態が解らなくなるっちゃ。」
 「何!おまえはそう言う目的で俺の日記を読んでおったのか!?」
 「アホ!他にどんな目的でおまえの日記読まなあかんねん。」
やっぱり戦闘態勢。
 「まあまあダーリン、テンちゃん今日は遅いからもう寝るっちゃ。」
 「なんでやねんラムちゃん?これからええとこなのに。」
 「はいはい、おやすみだっちゃ。」(これ以上刺激してダーリンが日記つけなくなったら大変だっちゃ)
夜の帳に包まれながら私はふと考えた。
 (明日授業中に書こう。)

 翌日授業はやっぱりつまらなかった。
 だから書く。
 しばらくすると温泉先生が。
 「こら!諸星授業中何やっとる!」
と、何時もの様にやってくる。
 「こいつ小説ちゅうもん書いてんねん。」
と、じゃりテン。
 同時に教室内は爆笑の渦に包まれた。       「諸星!教室に幼児を連れ込むのは禁止した筈だぞ」
 「諸星ぃ、君の様に知性のかけらも無い様な奴   「失礼なやっちゃな、わしはラムちゃんについて 
が小説などと片腹痛いは(笑)」           きてんねんぞ、このアホとセット思われたないわ」 
しつこく面堂のやつが笑うので私は護身用のカケヤ  「ラム君、学校に子供を連れて来ないで欲しいの 
(木槌の大きいやつ)を懐から出して攻撃した。    だが。」
面堂も真剣で真剣に応戦した。           「テンちゃんはうちの子供じゃないっちゃ。」
 が女性徒の横槍で勝負はお預けになった。     「ぼく、ラムちゃんの子供でええで。」
 「先生、面堂君も何時もの事なんだから気に    「何いってるっちゃ。そんな事言ってるとおかあさん
しないで授業を続けて下さい。」           に言いつけるっちゃよ。」
 温泉は恐縮して授業を続けた。          「ラ!ラムちゃんそれだけはかんべんしてください。」
静かに小説、もとえ授業を続けたかった私は愛用の
ラッケットを懐から取り出しじゃりテンをラケットの音色も美しくそっと窓から出してあげた。

 休憩時間は作業を一気に進めるチャンスだ。
が邪魔が入る。
 「諸星、何故急に小説なんか書く気になったのだ?」
うっとおしい面堂はラムが相手をしてくれるので助かる。
 「ダーリンは賞金狙ってるっちゃ。」
 「やはりな、お前は金か女が絡んでないと行動を起こさんタイプだからな」
 「終太郎、言い過ぎだっちゃ。ダーリンを馬鹿にするとうちが許さないっちゃ。」
行け、ラム面堂に制裁を加えるのだ!
 「お腹すいたらご飯も食べるっちゃ!」
お前が言うな、身も蓋も無くなる。
 「ダーリンはこう見えても小遣い稼ぎは上手だっちゃ!」
フォローになってないじゃないか!
 面堂が思い出す。
 「そういえば、以前も自分の体切り売りしていたな。」(5巻3参照)
 (お前もラムのマスクに金払ったじゃないか!)   (10巻9参照)
 おっと、これはラムには内緒だから黙っとこう。
と、ラムが
 「ミス友引コンテストの時も商店会のリベートで稼いだっちゃ。」(18巻7〜11参照)
 「こっ、こらラム!!!」
 「あたる君どう言う事? 聞いてないわよ私」
 「おめえ!なんだそれ、聞いてねーぞ!」
 「諸星!!聞き捨てならんな!」
もうこの際誰がどれでも良い、逃げよう!
 私は、ついて来るラムに意見した。
 「なんで余計な事を言うんだ!」
 「言っちゃいけなかったのけ?」
話にならないので私はそのまま逃げた。
 
 


 その後
 あたるが眠りにつくころ。ラムとテンが何やらひそひそと彼の小説を読んでいた。
 「なんやこれ↑日記とどこがちがうねん!」
 「しっ。静かに読むっちゃ。ダーリンが起きるっちゃ。」
 「俺が私になっただけやんけ。こんなもん書くのにノート一冊作りやがって。」
 「これが地球の小説け?ダーリンの日記投稿すればいいっちゃね。」
 「あかんラムちゃん、わしらの恥さらすようなもんや。止めさせて。」
 「うちとダーリンが恥なのけ!?」
 「静かに!ラムちゃんアホが起きよる。」
 「はぁ〜。日記読む手間が倍に増えたっちゃ。」
 
 おしまい





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