「ゲノム・パニック」作:PKOさん、挿し絵:みいさん


朝から相変わらずのどかな友引町・・・・・

「ダーリンのぶわっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ドバババババババババ!!
「のわ〜〜〜〜!!」

・・・うん、いつもと変わらない。

「ダーリンたらまたほかの女に色目使って〜!」
「何を言う!ただ声をかけて住所と電話番号を聞いてお茶に誘おうとしただけではないか!」
「それが色目を使ってるっていうっちゃ〜!」
ドババババババババ!
「ウギャ〜〜〜〜!!」
「もう先にいくっちゃ!」
そういってラムは学校へ飛んでいった。
「くそう、ラムめ、毎朝毎朝電撃ばかりかましおって!・・・ふふふ、しかしこれも今日までじゃ・・・」
そう言ってあたるは謎のふくみ笑いをしたのだった・・・

そして昼休み・・・
あたるは化学室に向かっていた。
「圭、いるか〜?」
「おう、あたるか。入れよ。」
入るとそこにはあたるのクラスメートで化学部の七海圭がいた。
「<あれ>を持ってきたか?」
圭が聞く。
「ああ、けど本当にラムの髪の毛だけでいいのか?」
「ああ、これさえあればラムちゃんの遺伝情報を解析し、その情報をおまえに書き込むことで・・・・とにかく
ここからラムちゃんみたいな体質になれる薬を作れるぞ。」
「て事はこれさえあれば・・・」
「そう、ラムちゃんと同じ体質だから勿論電撃なんてへのかっぱさ。」
「ふっふっふ、電撃さえ無効化できればラムなんぞただの鬼娘よ・・・」
「しっかし〜、おまえももったいないことしよるな〜。あんないい子滅多にいないっちゅ〜のに。」
「黙れい、俺は一人の女に縛られるのはいやなのだ。んで、どのくらいで出来る?」
「ああ、予め下準備はしてたからすぐ出来る。その前にだ・・・例の報酬は?」
「うむ、これがランちゃんの電話番号と生写真とその他グッズだ。」
「おおおおおお!!でかした!まってろ、すぐ作るからな!」
コトコトコト・・・
そしてやたら怪しげな緑色の液体が完成したのだった。

「の、飲めるのかこれ?」
「多分だいじょぶだとは思うが・・・自信なくなってきた・・・」
「やっぱやめよっかな?」
「そうやってこれからもずっと電撃のリンチを受け続けるか?」
「うっ・・・」
(えーい、ままよ・・!)
ゴクッ
「まず先に原理を説明するとだな〜・・・っておい!話が終わる前に飲むなあ!」
「もう全部飲んじゃった。」
「いや、だからまず髪の毛が緑になり・・・」
ザワザワッ
「うわわわっ!」
「そして角が生えてきて・・・」
ニョキッ
「おいおいおい!」
「最後に目が青色になってそれで完了だ。」

「けどなんかまだ体が疼いて・・」
「って・・・えええ〜〜!」
「な、なんだよ」
「あたる・・・いいからまず深呼吸をしろよ。」
「何故。」
「いいから!」

スーハースーハースーハー

「そして鏡を見てみろ。」

「なんだよったく・・・ななななな〜!ラ、ラムになってる〜!」

「う〜ん・・どうやら薬が効きすぎたみたいだな〜」
「ふざけるな〜!早くもとに戻さんかい!」
「そうはいってもな〜・・・中和剤をつくんのには時間がかかるからな〜。いっそのことしばらくそれで遊んできたら?こんな機会滅多にないぞ。」
「そらないわい・・まあ、それもおもしろそうだな。んじゃ行って来るっちゃ!」
そしてラムの姿をしたあたるは空へ飛んでいった。
「空も飛べるのか、すげえな〜・・っとどこで失敗したか調べないとなっと・・」
・・・・・・・・・・ん?
「今、ちゃって言ったよな・・・・」

一方こちらは本物のラム

「ダーリンたら授業が始まってるのに一体どこにいったちゃ・・・ダーリン〜、どこだっちゃ〜。」
そういってラムは窓から飛び出そうとした。
「こら!ラム君!まだ授業ちゅ(ぶぎゅる)」
止めようとする温泉をメガネと面堂がつぶした!
「ラムさん、僕も諸星を捜すのに協力します!面堂家の名にかけて必ず見つけて御覧にいれましょう!」
「こらあ!抜け駆けは許さんぞ面堂!ラムさん!僕が必ずあのアホをとっつかまえてみせます! パーマ、カクガリ、チビ!いくぞ!」

こうしてラム、面堂、メガネたちは教室を出ていった。

「お、お前ら・・・授ぎょ(ぶぎゅる)」
しぶとい温泉をすかさず生徒A(仮名)が止めをさした。
「これで授業はパーだな。エスケイプするか、なんか飯食いにいこーぜ。」
「俺、ラーメンがいいな〜・・・」

ザワザワザワザワ

みんな出ていってしまった

ヒュルルルル〜・・

「じゅ、授業〜・・・」

そしてもういちどあたる

「空を飛ぶって気持ちいいな〜、いっそずっとこのかっこもいいかもな〜・・」
「空を飛ぶって気持ちいいな〜、いっそずっとこのかっこもいいかもな〜・・・」(挿絵:みいさん)
(ダーリン〜、どこだっちゃ〜)
「え?」
周りを見回してみても誰もいない。
「気のせいか・・・けどなんか頭の中から聞こえてきたような・・・」

もう一回教室

ダダダダダ
圭が教室に駆け込んできた
「ラムちゃん!いるかい!」
しかし、もだえてる温泉以外誰もいない。
「くそっ!あたるを探しにいったのか!早くしないと・・」



「おお、圭〜・・もどって来てくれたか・・・先生は信じて(ぶぎゅる)」
「ええい!んな場合じゃないっちゅーに!早くしないとあたるが・・・」
そして圭もあたるを探しに教室を飛び出した

そしてまた場面はあたるへ

「そろそろ戻るか・・・ん?ありゃ面堂だっちゃ。」
すでに自分の口調の変化にすら気づいていない。
「諸星〜、今ならまだラムさんも許してくれる〜。おとなしく自首しろ〜。」

「なにおう、人を犯罪者みたいに言い腐って・・・。そうだ、ちょっとからかってやるっちゃ。」

「修太郎〜」
「ラムさん!諸星は見つかりましたか!?」
「それより・・・修太郎にとお〜っても大切な話があるっちゃ・・」
「なな、なんですか!?」
「うちね・・・」
「はい。」
「修太郎のことが・・・」
「はい!」
「(小声で)きらいだっちゃ。」
「・・・・は?」
「嫌いだっちゃ〜!」
「えええええ!!な、何故ですラムさん〜!?」
「理由なんてないっちゃ!大嫌いだっちゃ〜!」
「だああああああああ・・・」
ピキーン
面堂は完全に石化した

「ふっふっふ、ぶあかめ。まんまと騙されおって。・・お?メガネだっちゃ・・」
メガネが息を切らしながらこちらに向かってきた。
「ラムさ〜ん、どうです、あたるは見つかりましたか?」
と、横で石化している面堂に気づく。
「ラムさん、こ、これは・・・?」
「うち知らないちゃっ」
ぶりっこしてとぼけてみせる。

(ようし、こいつも・・)

「メガネさん・・・」
目をうるうるさせて喋ってみる。
「な、なんですか?」
どぎまぎしながらメガネは答えた。
「うちね、最近気になる人がいるっちゃ・・・」
「えええ!」
「その人ね・・・うちのクラスでね・・・」
「ま、まさか・・・」
「メガネをかけているっちゃ・・・」
「おおおおおおおおおおおお!!!我が生涯に一片の悔いなーし!!ラムさんそれは本当ですか!!」

「うそだっちゃ(きっぱり)」
「あ?」

「全部嘘だっちゃ!うちの好きなのはダーリンだけだっちゃ!・・ってええ!」

自分の言った事に対して大きなショックを受けるあたる
(お、俺は何をいっっとるんだ!なんか変だぞ!)

「はああああ・・・・」
メガネは石化した上に砕け散った。

「とりあえずここを逃げないと・・・」

「え?うちがもう一人?」
「ら、ラム!」

「ダーリン?ダーリンなのけ?」
「ち、ちがうっちゃ!」
そう叫んであたるは逃げ出した!
「あ!ダーリン、ダーリンでしょ!?どうして・・?」

その時

「見つかった!おーい!ラムちゃ〜ん!」
圭が追いついたのだ。
「あ、圭さん!ダーリンは?ダーリンはどうなったっちゃ!?」
「実は・・」

圭は事情を説明した。

「そうだったのけ・・それでうちの姿に・・」
「それで大変な事が分かったんだよ!」
「え?」
「あのままほっとくとラムちゃんの細胞が強すぎてもとのあたるの細胞を破壊して・・・
とにかく!体だけでなく心も全部ラムちゃんに変わっちゃうんだよ!」

「そんな・・・」
「だから急いでこの中和剤を使わないと・・・あたるという人間の存在が消える・・これを早くあたるに!」

「ダーリン!!」
圭の手から中和剤をひったくるとラムは飛び出した!

「もってあと一時間か・・・間に合うかな・・・」

ラムは空から見回すが影も見えない。
「ダーリン!どこだっちゃ!?お願い・・出てきて・・・」
(ふ〜、もうラムも追ってこないな〜・・)
「え!?ダーリン!?」

「危なかった〜。もう少しで電撃リンチのとこだったわい。しかし・・・今日の俺はどうしたんだ・・あんな事言って・・・」
(ダーリン!)
「うわ!どこだ!?」
(ダーリン!うちの声が聞こえてるなら聞いて!今すぐ中和剤を飲まないとダー
リンが、ダーリンが消えちゃうの!お願い!出てきて!)
「ふん、そんな事言ってまた電撃かます気だろ!もうだまされんぞ!」
(お願い・・・うちを信じて・・・)
その時・・・
あたるに何か言いようのない感覚が襲った
「な、なんだ・・」
(うちはダーリンだけを・・ダーリンだけを想って・・)
「・・・・」
(ダーリン・・・)
「今どこにいる?」

「いや〜、俺はもうあかんかな〜と思ってたよ!けどさ、ラムちゃんどうやってあたるを見つけたんだい?」
「秘密だっちゃ♪」
「あたる、なんで見つかったんだよ」
「うるせえ。」
何故かあたるの顔は真っ赤だった。

「ふ〜ん・・・ま、いいか。んじゃ俺は先に帰ってるよ。じゃな!」
そういって圭は走っていった。

「うちもいこっ、ダーリン♪」
「ああ・・・」
「ねえダーリン。」
「ん?何だ?」
「いや・・・やっぱりいいっちゃ。」
「変な奴だな・・」

最後に中和剤を渡した時、ラムは心に聞こえたのだ。
(ごめんな)
と・・・・

「ダーリン♪」
「だからなんなんだよ!」
「好きだっちゃ!」
「や、やめろバカくっつくな!」

まったくいつも通りの友引町・・・・

Fin

P・S

温泉はまだ倒れたままだった。
「じゅ、授業〜・・・・」


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