第四話


○友引高校・保健室
あたる「それは?」
  しばしの沈黙。あたるチラリとラムを見る。するとサクラがラムを霊視している。
サクラ「叔父上!!」
チェリー「なんじゃ?」
  サクラ、チェリーに耳打ちをする。チェリー顔色が変わる。
面堂「どうしたんですサクラさん?」
チェリー「ひっ非常に言いづらいんじゃが・・・」
あたる「なんじゃい?」
  チェリーとサクラ黙り込む。
面堂「なにがあったんです!?」
チェリー「・・・手遅れじゃ」
  うつむきそう答えるチェリー。一同驚愕。
メガネ「てってってっ手遅れ!?」
面堂「どっどっどういうことですか!?」
サクラ「すでにラムの魂線が・・・切れているのじゃ」
チェリー「宇宙人であるため、わしら人間より魂線が切れやすかったのじゃろう・・・」
あたる「治す方法はあるんだろ?」
  少し呆け気味のあたる。
サクラ「残念ながら・・・」
チェリー「魂線が切れたいじょう、魂を再び体に宿すことは不可能じゃ。第一、もう食べられて」
メガネ「ギャアハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
  よだれを垂らし馬鹿笑いをするメガネ。
サクラ「いかんメガネが壊れた!!」
  あたる、チェリーのむなぐらを掴む。
あたる「おい!本っっっっっっっ当に魂を吹き込む方法はないのか!?全くないのか!?一つもないのか!?
 全然ないのか!?微量たりともないのか!?これっぽちもないのか!?えっどうなんだ!!」
  泣き叫びながらチェリーを責めるあたる。片膝をつき涙を流す面堂。
チェリー「魂線の切れた魂を再び肉体の吹き込むなんてことは、そんなことは、そんなことは、そんなことは
  不可能なんじゃ!!おぬしにもそれぐらい分かるじゃろ!!」
  崩れ落ちるあたる。涙を拭くチェリー。
あたる「ラム・・・ラム・・・ラム〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
 
○あたるの家・あたるの部屋(夕)
  布団の上にラムがいる、その側にあたるがラムをぼーぜんと見つめながら座っている。
あたる「なぁラム・・・暑くないか?」
  そこへテンが窓から帰ってくる。テンはあたるとラムを見て驚く。
テン「おい、アホ!ラムちゃん、どないしたん?」
  あたるテンの方を向く。あたるの目が真っ赤なのに気付くテン。
テン「どっどないしてん、ラムちゃんに何かあったんか?」
  あたる無言。
テン「黙っとたら分からんやんけ!?」
  テン少し泣き出しそうになる。
テン「おい!聞いとんかアホ!!おい!おい!アホ!アホ!聞いとんかアホ!」
あたる「うるさい!!少し黙れ!!」
  あたる、下を向きながらテンを怒鳴りつける。テン驚いて黙り込む。
 
○友引高校・保健室(夜)
  イスに座り込んでいるサクラ。床に座り込み巻物を必死に見ているチェリー。
サクラ「叔父上、どうじゃ?」
  サクラ、チェリーを見る。チェリー静かに首を振る。
サクラ「霊能力者とは意外に無力なもんじゃな〜」
チェリー「サクラ・・・おぬしが責任を感じることはない」
  しばしの沈黙。
チェリー「サクラ、魂のない者はどうなるかしっとるか?」
サクラ「そんなこと知りたくもない!」
チェリー「サクラ!現実から逃げてはいけないんじゃ、しっかり現実を見つめなければ」
  チェリー真剣な眼差しでサクラを見つめている。
サクラ「叔父上・・・」
  静かにゆっくりとうなずくチェリー。サクラもうなずく。
チェリー「魂がないということは感情がないだけではない、生きている意思がなく意志もない
 つまりただ機械的に呼吸をし心臓を動かしているだけなのだ。つまりひどい言い方をすれば
 置物に過ぎなくなるわけじゃ。そして決して再び動くことはない・・・そこで」
サクラ「そこで?」
チェリー「区切りをつけなければならん・・・ラムを・・・・・・ラムをみんなの手で葬ろう」
  サクラ、一瞬言葉を失う。
サクラ「叔父上!!正気か!?例え置物になったにせよ生きていることには変わりはない
 それを葬るなんてどういうつもりじゃ!!」
チェリー「このままではあたる達が駄目になってしまう!
 いつまでもラムの幻想にしがみ付いていててはいかんのだ!ここで区切りをつけなければ!」
サクラ「わしは納得できん!」
チェリー「わしだって、そうはしたくはない・・・だがこのままではみんなが人生これからの若者が
 駄目になってしまうのじゃ!サクラ、おぬしにも分かるじゃろ!」
  二人、沈黙。
 
○あたるの家・居間(夜)
  食事をしている諸星夫妻。
父「あたるは?」
母「さぁ、家に帰ってくるなり部屋に閉じこもって」
父「ラムちゃんは?」
母「そう言えばまだ見てないわね〜帰ってきてないのかしら?」
父「テンちゃんは?」
母「そう言えば遊びに行ってきり見てないわね〜」
父「・・・・・・・・・・・・」
  そこへあたるが降りてきて居間に来る。
あたる「あ〜腹減った。うわ〜天ぷら、うまそ〜ニャハハハ」
  あたる、机の前に座り、ご飯をかけこむ。
母「ラムちゃんとテンちゃんは?」
あたる「ジャリテンは俺の部屋で寝てる。ラムは・・・UFO」
父「お前、寝起きだろ?目が真っ赤だぞ」
母「全く、久々に家でおとなしくしてると思ったら昼寝?勉強しなさいよ、たまには」
あたる「ご馳走さん」
母「あら、もういいの?」
  あたる、天ぷらを持って2階へ上がろうとする。
母「どうするの、その天ぷら?」
あたる「・・・ジャリテンに」
  居間を出るあたる。呆然とする二人。
父「あのあたるが、自分のおかずをテンちゃんに」
母「台風でも来なけりゃいいけど」
 
○同・あたるの部屋(夜)
  テンとラムが寝ている。あたるが天ぷらを持って入ってくる。
あたる「ラム、晩飯もって来たぞ」
ラム「・・・」
あたる「机に置いとくからな」
  テン目を覚ます。
テン「おいアホ、ラムちゃんまだ寝とるで、ほんまにどないしたん?」
  あたる、テンをフライパンで窓からかっ飛ばす。窓を閉めるあたる。
あたる「まだ夜は冷えるからな、窓閉めとくぞ」
サクラの声「ごめん!」
  サクラの声が聞こえ驚くあたる。
母の声「あら、いらっしゃい」
サクラの声「ご子息に用があるのですが、どちらに?」
母の声「あたるですか?あたるなら自分の部屋にこもりきりで」
サクラの声「失礼いたす」
  サクラ階段を上ってくる。
サクラ「ごめん!」
  戸を開けるサクラ、サクラの胸に飛び込むあたる。
あたる「サ〜ク〜ラさぁ〜〜〜〜ん」
  肘鉄を喰らうあたる。
あたる「どわ!」
サクラ「おぬし、強がらんで泣きたい時は泣けばよかろう」
あたる「サクラさん・・・サクラさぁ〜〜ん」
  サクラの胸で泣こう飛びつくあたる。
サクラ「たわけっ!まぁ強がりもここまでくれば立派じゃのう」
  バックドロップを喰らうあたる。サクラ一息つく。
サクラ「これから言うこと、気を確かに持って、しっかり受け止めるんだぞ」

・・・・続く   



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