part7  クリスマスの魔法
 
 
「ダーリン、おはよっ!!」
 
「ああ」
 
 
あの日から何日たったであろうか。ラムがあたるに別れを告げた日から。
 
あの日ラムは笑顔であたるに別れを告げた。
 
あたるはただただボーぜんとしていて気ずいた時にはラムはあたるの前からいなくなっていた。
 
けれど次の日もラムは学校に来てて、あたるとも普通に話していた。
 
あたるも最初は戸惑っていたが、ラムの何もなかったような態度によりその気まずさもなくなっていた。
 
あたるもラムも前までの2人と変わらないように見えた。
 
ラムが言った事に対してあたるはちゃかしたし、1日1回は2人で言い争いをしていた。
 
だけども変わった事もある。
 
当然と言えば当然の事なのだがラムは諸星家を出た。
 
また不思議な事にあたるは女の子に付きまとわなくなった。
 
ここぞとばかりに手あたり次第に女の子をナンパするはずだと思っていたラムもこれには驚いた。
 
その代わりにあたるの横にはいつも美香がついていて、
ラムはそれを見ても何も言わないのでさすがにみんなラムとあたるが別れた事に気がついた。
 
メガネや面堂は大喜びだったし、しのぶはラムを心配した。
 
だけども当の2人は相変わらずの様子で、前と全然かわらないようにも見えた。
 
 
 
しかしある日曜日に変化がおきた。
 
その日あたるは久しぶりに服でも買おうと思い、町に出た。
 
するとセナが誰かと話しているのが見えた。
 
「おおーい!!!セ・・・・・。」
 
そう言いかけてあたるは呼びかけるのをやめてしまった。
 
セナが話していたのはオシャレをしていたラムだったのだ。
 
セナもラムも仲良く笑いあっていてとてもお似合いのように感じた。
 
あたるはなぜかその場所から逃げなくてはいけないと思った。
 
2人に気ずかれないように。
 
ラムとセナは休みの日に2人で会っているのか・・・。
あたるは無我夢中のように走ったがさっきの2人の様子が頭の中から消えることはなかった。
 
 
 
次の日、ラムはあたるにあいさつをしたが、あたるからの返事はなかった。
 
「ダーリン無視するんじゃないっちゃ!!」 
 
ラムはあたるにそう文句を言うとあたるは「ダーリンでもないんだからいい加減ダーリンなんて呼ぶな!!」
 
と言ってスタスタと行ってしまった。
 
「何あんなに機嫌悪くなってるっちゃ!?ダーリンなんてっ大嫌い。。」
 
ラムは背を向けて歩くあたるにあっかんべーをした。
 
 
一方あたるのイライラは消えなかった。
 
できるだけラムとセナをみないようにし、ずっと美香と話していた。
 
すると美香から「あたる、話があるの・・・・。今日うちまでちょっと来てほしいんだけど。」
 
と誘われたのであたるは「ああ、いいよ。」 と答えた。
 
 
 
学校が終わりセナとラムで帰っているとあたるがいたのでセナがあたるに「あたるも一緒に帰ろうよ!!」
 
と誘ったが、あたるから「俺、美香の家に行くからおまえら2人で帰れよ。」と少しつっけんどんに言われてしまった。
 
そこでラムは少し頭にきて、
 
「ダーリン!どうしてさっきっから怒ってるっちゃ!?こっちはいい迷惑だっちゃ。」
 
しかしラムが言った言葉に対してあたるは「うるせえー」と言って走っていってしまった。
 
 
 
 
―ラムとセナ―
 
「ラムぴょん、気になるんでしょ!?」
 
あれから20分後ラムとセナはランの家にいた。
 
「そうよ。ラムちゃん。気になるんだったら絶対見ときた方がいいわよ。」
 
「ウチはぜーんぜん気にならないっちゃよ。。」
 
そう言いながらもラムは落ち着いていられない様子だった。
 
「おんどりゃー、そんなそわそわして家にいられても迷惑なんじゃ!」
 
「そうだよ。ラムぴょん!!!早く行かないと僕怒るよ!!」
 
「ランちゃん、セナっち・・・・・・・・・・・・・。ウチ用事思いだしたからちょっと行ってくるっちゃ!!!!」
 
ラムはそう言って急いで美香の家まで行った。
 
 
 
「ねぇーセナっち、ずっと聞きたかったんだけどいいわけ?
またダーリンとラムちゃんくっついちゃうかもよ?セナっちってラムちゃんの事好きなんじゃないの??」
 
ラムがいうなくなってからランはセナに尋ねた。
 
するとセナはおもむろに答えた。
 
「僕チンね、実は・・・・・・・・・・・」
 
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 
 
 
―美香の家―
 
 あたると美香は昔の懐かしい写真を見ていた。
 
「見て!この時ほんとうに大変だったわよね。もうあたるったらさぁー・・・」
 
「美香こそあれはなかったよなぁ。すげービックリしたもん。」
 
などと思い出話に花を咲かせていた。
 
するとふいに美香が「この頃私、結構あたるの事好きだったのよ。」と話してきた。
 
「でも美香はあいつと付き合ってたじゃないか??」
 
「だってあたるってばしのぶと仲良かったし。」
 
「なんだぁーもったいない事したな。」そう言うと美香はまっていたかのようにこういった。
 
「今からでも遅くないのよ。。。」
 
「またまたぁ〜」
 
「ラムちゃんだってセナくんといい感じみたいね。こないだ2人がデートしてるの見ちゃったの。
それで聞いてみたらじきに付き合って星に帰るみたいよ。」
 
そう聞いたとたん、あたるは自分の頭がカーっとなるのを感じた。
 
美香はなおも話続けているがそんなの頭に入らなかった。
 
そしてやっと口に出た言葉。
 
「・・・・・・・・・・俺たちも付き合おっか。」
 
 
 
 
 
ピーンポーン、ピンポーン
 
美香の家のチャイムが鳴った。
 
「あたる、ちょっと待っててね」
 
そう言って玄関の方に行く美香をあたるはボーっと見ていた。すると・・
 
「あら!!ラムちゃん!!!どうしたの?まあいいわ。今あたるもいるのよ。どうぞ入って。」
 
あたるは一瞬ドキっとした。
 
「あたる!ラムちゃんも一緒にいい?」
 
「ああ・・・・・・・・・・・。」
 
「ごめんっちゃ。。ウチちょっとだけ話したいことがあって・・。」
 
ラムは慌てて喋った。実際話したいことなんてなかったけど何でもいいから用事を作らなきゃと思ったのだ。
 
「あら。何?あっ、これどうぞ。」
 
と言って美香はお茶をだした。
 
「えーっと、えーっと・・・そう!そうだっちゃ!!もうちょっとでクリスマスだっちゃ。
それでみんなでパーティでもしないかなって思って・・・。」
 
すと美香がニコっとして答えた。
 
「すごく楽しそうね。けど・・・・あのね、本当に誘ってくれたのはうれしいんだけど、
私とあたる付き合う事になったの。だから・・クリスマスはちょっとね・・・・・・・・」
 
美香の言葉を聞きながらあたるはラムの様子をチラっと見た。
 
ラムはすごくボーゼンとしててでも今にも泣きそうな感じだった。
 
「・・・・そうだっちゃ。。ゴメンっちゃ。そうだっちゃよね。
2人で過ごしたいっちゃね。ウチごめん。。知らなかったっちゃ。
あっ!ダーリンおめでとうだっちゃ・・・えっと・・・・・・・・
あっ、ウチ帰るっちゃ・・・・・・・・じゃあ・・・ゴメンっちゃ。。」
 
そう言って飛んでいくラムをあたるは追いかけたくてたまらなくなった。
 
けれど美香が自分の腕をしっかりとつかんでいる。
 
あたるはラムのことをずっと考えていた。
 
 
 
 
 
「ねえねえ、クリスマスどうする???」
 
あの日から20日たった。
 
5日後はクリスマスという事でみんなそわそわしていた。
 
美香とあたるはあれから交際を続けていた。
 
しかしあたるには前ほど元気がなくなっているのも確かだった。
 
ラムは3日間学校を休んだが4日目学校に来た時は以前と変わらない様子だった。
 
あたるにも普通に接してきた。
 
しかしあたるが話さないとラムは自分からあたるに話しかける事はめったになかった。
 
セナとラムはどうやら付き合ってない様子だった。
 
2人は本当に友達という感じで誰に聞いたわけではなくあたるはそう思った。
 
「今日放課後来てね」
 
美香の家にももうたくさん行った。
 
しかし今一歩踏み出せない自分がいた。
 
あたるは自分が本当に美香が好きなのかわからなかった。
 
でもこのままじゃいけないと思った。
 
今自分は美香と付き合ってるんだ、と。
 
だから今日こそキスをしようと思った。
 
キスをすれば何か変わるだろう・・・・・・。
 
 
 
「あたるどうしたの???」
 
今ここは美香の家。
 
どうやってその行動をとったらいいかあたるは考えていた。
 
すると、
 
プツっ
 
停電になってしまったのだ。
 
あたるはどうしようと突っ立っていると美香は懐中電灯を横に倒して「これで大丈夫でしょ?」といった。
 
今しかない!!
 
あたるはそう思って美香両肩に手を置いた。
 
すると美香もわかったらしく目を閉じた。
 
あたるは美香に顔を近ずけた・・・・・・・しかしあと何cmのところであたるはある事を思いだした。
 
そういえば、前にもこんな事あったっけなぁ・・と。
 
あの大きな鐘が落ちてきて俺とあいつは2人だけくらい中に閉じ込められた。それで俺はドキドキしながらはじめてあいつにキスをした
 
あたるはあいつの顔を思いだした。
 
今でも鮮明に覚えてる。あいつだって余裕な顔してたけど実はドキドキしてた。だって心臓の音が俺にも聞こえた。
 でもあいつはそれを後で話したらそんな事はないって顔を真っ赤にしながら怒ってたっけ。
 
 
そんなことを考えているうちに電気がついた。
 
「あたる!どうしてキスもしないの?ずっと言わなかったけどあたるって実はすごくつまんない男なのね!!!」
 
美香は怒っているようだった。
 
しかしあたるの耳には聞こえなかった。
 
あたるは大切なものを思いだしたのだ。
 
「・・・・・ごめん、美香。俺、もうこのまま美香と付き合う事が出来ない。俺好きな奴がいるんだ・・・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
―24日クリスマスイブ―
 
「えーっ、そう言うわけでだ、3学期から江藤と藤原が学校からいなくなるわけだが2人にあいさつをしてもらう」
 
温泉マークがセナと美香の転校を話した時教室中ざわめきがはしった。
 
「おい!!あたる!!!美香が転校するの知ってたのかよ!?」
 
メガネがすぐさまあたるに聞いてきた。
 
あたるは別れを告げた日に電話でその事を聞いたのだ。
 
なんでも以前から両親に美香も早く外国で一緒に暮らそうと言われていたらしく、今回の事でくぎりがついたという事だった。
 
美香とセナが別れのあいさつをして学校が終わった。
 
学校が終わってもみんな教室の中でガヤガヤしていた。
 
美香とセナにみんながいろいろと話している。
 
「美香ぁ〜どうしてもっと早くいなくなるっておしえてくれないんだよー。」
 
メガネ達はとても悲しそうだった。そして何かを思いだしたらしく美香の手をとり
 
「そうだ!!今日はクリスマスなんだしパーっと過ごそうじゃないかっ!!諸星も連れて行くから!!なあ、あたる!」
 
あたるはドキっとした。あれからあたると美香は昔の友達のような関係に戻っていた。
 
あまりにも美香のあきらめの早さに正直びっくりしてしまったほどだった。
 
だから自分のことを本当に好きだったのか!?と思ってしまったくらいだった。
 
あたるは今日のクリスマスイブは暇だったがメガネ達のパーティに行くつもりはなかった。
 
他に今日という日を過ごしたい人がいたからだ。
 
「そうだ!!ラムさんは??ラムさんも誘わなきゃ!!!!」
 
そうメガネが言ったときにはもうラムの姿はなかった。
 
そこであたるもラムを探したが周りにいない。
 
そのかわりに誰かに肩を叩かれたのだ。
 
 
 
 
 
「引っ越しちゃって後悔しないっちゃ!?」
 
そこは美香の家だった。
 
メガネがラムを探している間美香もラムを探していた。
 
ラムと話したいといって美香が自分の家に呼んだのだ。
 
「あら。後悔?どうして??」
 
「だって・・・ダーリンの事とか・・・・。」
 
「私達別れたのよ。」
 
ラムはびっくりした。そんな感じはしなかったからだ。
 
「あたるってばすっごくつまらない男なんだもん。振ってやったわよ。」
 
「ダーリンはつまんない男なんかじゃないっちゃ!!!」
 
ラムはいつのまにか立ちあがっていた。
 
「ダーリンはダーリンはいつだってやさしくて、おもしろくって、うちは、うちは、ダーリンの事今だって・・・」
 
「ストップ」
 
ラムが話しをしている最中に美香がさえぎった。まるでラムが反論するのわ待ってたように。
 
「私、昔あたるとすっごく仲がよかったの。前は私の方がもててあたるはいつもきっとヤキモキしている状態だったんだと思う。
この高校に引っ越してきたのも実は計画的。私幸せそうなカップル見つけると壊したくなってくるの。それで前テレビであなた達を見て、
なんか悲しくなってね。だって前まであたるは私の事あんなに好きだったのに今ではちがう子と仲良くやってる・・・ってね。」
 
美香の家はシーンとしていた。
美香は話を続ける。
 
「初めは絶対あたるは私の物になると思ってた。私ね自慢じゃないけど今まで振られた事とかなかったから。
それにあたる、ラムちゃんの事あんまり興味なさそうだったから・・・・・・・・・・・・・。
けどちがった。あたるってば、あなたの前ではすっごく不器用になるみたい。
素直になれないのよ。きっと・・。ねえ、気ずいてた?
あたる、授業中よくあなたの方ばかり見てたわ。
休み時間だっていっつもソワソワしててあたるの目線にはいつもあなたがいた・・
私、それ見てなんとなくわかってたんだけどね。うふふっ、初めて負けちゃった。。」
 
美香は一息ついて笑ったみせた。
 
 
「・・・・・私ね実は前の学校に気になってた人がいたの。
でもその人いっつも私には目もくれなくて、だから私もその人の事好きじゃないって言い聞かせてた。
・・でもあなた達見て思ったの。私もちゃんとした恋愛してみたいって。
だから外国に行く前に思い切りぶつかってみようかなって決意したんだ・・・。
あなた達のお蔭よ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当に今までイジワルしてごめんね・・・。許してもらえる??」
 
美香のあまりにも突然な告白にラムは驚いていたが、ニッコリ笑ってこう言った。
 
「モチロンだっちゃ!!ウチ美香の事応援してるっちゃ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
「あたる、本当にラムぴょんとこのままでいいの?」
 
あたるの肩をたたいたのはセナだった。
 
セナはあたるを学校の屋上に連れ出していた。
 
「あたる、もっと素直にならなきゃだめだよ。僕だって気ずいてたよ、あたるが僕とラムぴょんの事気になってるって。
 きっとラムぴょんは気ずいてないけど・・・。ラムぴょんだって絶対まだあたるの事好きなんだ。だから、だから・・・・」
 
「けど別れたいって言いだしたのはあいつからじゃないか。それに俺はラムと元に戻りたいなんて考えた事これっぽっちもないし・・。
まあ、ラムがどうしてもって言うならまた考えてもいいけど・・・・とにかく俺は別にラムとまた付き合おうとは思わん!!!」
 
あたるは話していて自分が強がっているのがよくわかっていたが後にも先にもひけなくなっていた。
 
自分ではよくないと思っていても誰かに言われると否定したくなる。
 
そういえば鬼ごっこの時もそうだった。
 
今だにあたるはラムに好きだと言った事がない。
 
他の女の子には何回だって言えるし気軽に手も握れるしデートの約束だって何だって出来る。
 
けどラムにはちがう。
 
あのときラムに「好きだ」って言うのを誰にも聞かれたくなかった。
 
あんなゲームのような状態で言っては絶対いけないと思った。
 
ラムはよく「うちの事好き?」って聞いてくる。
 
けどあたるはそんな時いつもそっぽを向いていた。
 
口に出すのはすごく恥ずかしいしその2文字の言葉がラムに言う場合はとても大きいものになるからだ。
 
2人で並んで歩いているときでも話しているときでもあたるの心の中にはこの言葉で溢れていた。
 
だからラムと手を握る時は緊張したし、ラムが何気なく腕を絡ませてくるときも心の中はドキドキしていてすぐに離そうとした。
 
けれど本当に離れてしまうとぽっかりと穴があいてしまい自分にとってどんあにラムという存在が大きいのかもわかった。
 
あたるが本心で言ってない事をセナは気ずいていた。
 
そんなあたるを見てセナは言った。
 
「・・・・・・・・・わかった。じゃあ僕がラムぴょんとっちゃうよ。
 今からラムぴょんにクリスマス一緒にいようって誘うつもりなんだ。
 ラムぴょんクリスマス暇だって言ってたしね。。。
 それで一緒にもう宇宙に帰ろうって言うつもりだったんだ。僕、あたるがいたから
 ラムぴょんになかなか言う事が出来なかったけど、あたるがそんな気持ちならいいよね?僕がラムぴょんもらっていくよ。
 今までありがとう、あたる。少しの間だったけどあたるに会えてよかったよ!じゃあね、バイバイ。」
 
そう言ってセナは行ってしまった。
 
あたるは呆然として少しの間突っ立っていたが、あたるはセナの話を聞いていてもたってもいられなくなった。
 
そして急いで駆け出した。
 
階段を降りている途中セナに追いついた。
 
セナの肩を叩きセナがあたるの顔を見た時、あたるはセナに一言言って階段を2段飛ばしで下りていった。
 
「ラムは誰にもわたさない。」と言い残して・・・・。
 
 
 
 
 
 
―4時間後友引商店街―
 
あたるはずっと走り続けていた。
 
目的はただ一つ。
 
ラムを探すために。
 
さっきっから友引町の端から端まで探しまわっているのに全くラムが見つからない。
 
ここまで見つからないともう先にセナが見つけてしまったかもしれない・・・という不安も出てくる。
 
向こうは宇宙人だ。
 
すぐに仲間を見つけることが出来るかもしれない。
 
けれどあたるはあきらめたくなかった。
 
辺りはもうすっかり暗くなっていてクリスマスという事でカップルたちが増えてきた。
 
あたるはぼんやりと町の様子を見ていた。
 
町中の人みんな笑顔で幸せそうで・・・・・・そんな時見覚えのある女の子が目に映った。
 
ラムだ。
 
ラムの横にはまだセナの姿は見えていない。
 
しかし今のあたるにはそんな事どうでもよかった。ラムの横に誰がいようときっとラムに声をかけていただろう。
 
あたるの目にはラムしか映ってなかったのだ。
 
「ラム!!!!!!!!!」
 
あたるは大きな声で叫んだ。
 
周りの人がみんな一斉に振り返ったがそんな事どうでもよかった。
 
ラムも驚いて振り返った。
 
すると誰かに抱きしめられた。
 
しかしすぐに誰かわかった。髪が乱れててあんまり自分を抱きしめる事になれていない男。
 
「ダーリン・・・・・・。」
 
2人はそのまま時間がとまったかのような錯覚がした。
 
しかし周りのみんなはジロジロ見ていて、さすがにラムは気がついた。
 
「・・・・ダーリン、みんな見てるっちゃ。」
 
「あっ!!ごめん・・・・・。」
 
そう言ってあたるとラムは数秒間見つめあった。2人とも顔は赤くなっていて、2人して笑いあった。
 
「ラム・・・・・宇宙に帰るなよ。俺、俺・・・・・」
 
あたるのその言葉にラムはキョトンとした。
 
「どうしたっちゃ?ダーリン。うち別に宇宙に帰らないっちゃよ。」
 
あまりにもラムのあっけらかんとした答えにあたるはひょうをつかれた。
 
「ダーリン暇だっちゃ??」
 
「?ああ」
 
「じゃあデートするっちゃvvv」
 
そう言ったラムにあたるは敵わないな、と思った。
 
「そうだな。じゃあしょうがないからデートするか。」
 
「しょうがないからって何だっちゃ!!」と言ってプーとしたが差し出された手を見て泣きそうになった。
 
「なんか、ダーリンらしくないっちゃ。」
 
「何がだよ?」
 
あたるは繋がれた手の暖かさに恥ずかしがってか前を向きながら言った。
 
「うふふvv何でもないっちゃ!!」
 
そう言いながら2人は公園まで歩いた。
 
辺りは静かでまるでこの世にラムとあたるの2人しかいないような気分までした。
 
歩きながらおたがい特に話そうとしなかった。
 
ただぬくもりを感じているだけで十分だった。
 
 
 
公園までついた時、あまり寒いせいかカップルの姿は見えず、誰もいないようだった。
 
「座ろうか?」
 
そこであたるとラムはベンチに座って一息をついた。
 
手はしっかりと握られたまま・・・。
 
「寒いっちゃね。」
 
「ああ。」
 
「息がこんなに白いっちゃ。」
 
ラムはそう言いながらおもしろがってたくさんハーと息をだしていた。
 
あたるはそんなラムを見ながら、どうやって話をきりだしていいかわからなかった。
 
またしても静かな時間が流れる・・・・・。
 
すると、ラムが口を開いた。
 
「どうしてウチが宇宙に帰ると思ったっちゃ?」
 
ラムの問いにあたるは素直に答えた。
 
「セナがラムを宇宙に連れて帰るって言ってたぞ・・。」
 
「セナっちが???」
 
「ああ。」
 
あたるはラムがどんな顔をしてるか知りたくなくてそっけなく言った。
 
「あいつ、お前の事好きなんじゃねーの。」
 
どうしてこんな事しかいえないのだろうと後悔がやってくる。
 
でもラムは笑いながらいった。
 
「ダーリン、セナっちにからかわれたっちゃ。セナっちがウチの事愛してるわけないっちゃ。」
 
あたるは「なんでそんな事がわかるんだよ?」と少しイライラした様子で言った。
 
するとラムはあたるの耳に手をやり内緒話をするように言った。
 
 
「だってセナっち結婚してるっちゃよ。」
 
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
「すっごいラブラブだっちゃよ。奥さんもすっごくかわいくって。ウチてっきりダーリンも知ってると思ってたっちゃ。」
 
「そんな事知ってるわけないだろう!!」
 
あたるのあまりの驚きようにラムはおかしくなって笑った。
 
その様子を見てあたるも自然に笑みがこぼれた。
 
「じゃあ、ダーリンはウチがセナっちにとられると思っていてもたってもいられなくなったっちゃね。」
 
あたるは「ちがうわい」と口では言ってるけど顔は赤くなっている。
 
「ウチはダーリンにたーくさん愛されてるっちゃvvv」
 
そう言ってラムはあたるの腕にしがみついた。
 
「愛されすぎてるのは俺だっちゅーんじゃい。」
 
そう言いながらも2人ともとても楽しそうだった。
 
「ねえ、ダーリン。ウチ、ダーリンがどうしてもって言うんならまた婚約者になってあげてもいいっちゃよvvv。」
 
ラムは大きい目をくりくりさせてあたるを見つめた。
 
「あのなー、それはこっちのセリフじゃっ」
 
あたるもラムを見つめる。
 
そして2人が顔を近ずけている瞬間・・・・・・
 
「あっ!!ダーリン雪だっちゃ!!!」
 
ラムが突然顔を離したのであたるはよろめいたが、ラムが言っているように上からは雪がしとしとふりだしている。
 
「ほんとだ。ホワイトクリスマスかー」
 
「うふふっvvvダーリン、ロマンチックだっちゃvvvv」
 
「おまえなー!!!!」
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして今度は本当に口ずけをかわした。
 
 
 
 
 
 
―2週間後―
 
「ラムちゃーん!!!手紙よー!!」
 
「ハーイ。」
 
諸星家では朝から騒がしい。
 
ラムは階段からおりてきてあたる母から手紙を受け取った。
 
「全くあたるはいつまで寝てるのかしら。今日はラムちゃんのお客さんも来るっていうのにね。」
 
「うちが今から起こしてくるっちゃvv」
 
そう言ってラムは軽い足取りで階段を上った。
 
 
「ダーリン起きるっちゃ!!!もうっ@今日はセナっちが遊びにくるっちゃよ!!」
 
あたるはラムに起こされて、目をこすりながらまだ布団からぬけだせないでいた。
 
「それ何だ??」
 
「ああ、ウチへの手紙だっちゃ。ええっと・・・・」
 
ラムはあて先を見る。
 
「美香からだっちゃ!」
 
「何で俺じゃなくラムにくるんだよ??」
 
そう言いながらあたるは布団の中でぶつぶつ言い出した。
 
「もう。今読んでるからダーリン静かにして!!」
 
ラムに言われてあたるはしかたなく黙っていた。
 
「美香何だって??」
 
「美香幸せそうだっちゃよ。上手くいったみたいだっちゃvvvよかったっちゃね。。。」
 
「おいっ、何だよ?何が上手くいったんだよ??」
 
「美香の新しい彼氏だっちゃ。」
 
ラムはあたるに美香のプリクラを見せた。
 
あたるはガバッと起きだして、プリクラをまじまじ見た。
 
「クソー!!誰だよ??俺の美香をとりやがって!!!」
 
「ダーリン!!!」
 
ドババババババ
 
あたるに大量の電撃がとぶ。
 
「ラム!!朝からはないだろ??」
 
ラムは知らない!というようにプイっとした。
 
「美香はダーリンのものじゃないっちゃ。それにダーリンとより、その人との方が似合ってるっちゃ。」
 
「俺は冗談で言ったんだ」
 
「ダーリンが言うと冗談に聞こえないっちゃ。」
 
「あのなー」
 
「そんな事だと今日セナっちが来てからも心配だっちゃ・・・ダーリンわかってるっちゃ?リンさんは妊娠してるんだからね?」

「リンさんって??」
 
「セナっちの奥さんだっちゃ。」
 
「えっ?今日くるの??」
 
あたるは明らかにさっきより楽しそうにしている。
 
「人妻だっちゃ!!」
 
「まだまだわかってないねー。人妻って変に憧れるんだよなぁ」
 
「ダーリンのバカ。」
 
ラムはそう言ってあたるに背をむけた。
 
そして沈黙が流れた後、あたるは起き上がって机の中から小さな箱を取り出した。
 
「遅くなったけどクリスマスプレゼント」
 
そう言ってあたるはラムにその小さな箱を渡した。
 
ラムは突然の事で驚いたが急いでそのプレゼントを開けると・・・・・・
 
「・・・・・・・・・・・・ヒック、ヒック・・・・・・・・・・・・・」
 
「おい泣くなよ〜。」
 
あたるは少し照れているようだった。
 
「誤解するなよ。あんまり深い意味はないんだから。」
 
今度はあたるがラムに背をむけた。
 
よっぽど照れているようだった。
 
ラムは泣きながら、後ろを向いているあたるの背中を抱きしめた。
 
「・・・・・・ダーリン大好き。」
 
「単純な奴」
 
あたるはそう言って笑った。
 
あたるがプレゼントにあげたもの、それは指輪だったのだ。
 
 
 
 
 
 
―8時間後―
 
「いやぁー本当にリンちゃんかわいかったなー」
 
「だっちゃね。セナっちも幸せそうだっちゃv」
 
ラムはさっきっから上機嫌である。
 
「そうだっ、ダーリン。ダーリンはプレゼント何がほしいっちゃ??」
 
「うーんそうだなぁ・・・・・・・・・・・・」
 
「ウチ、何でもいいっちゃよv」
 
「う〜ん・・・・・・・・」
 
ラムはワクワクしながらあたるを問いつめる。
 
「リンちゃんの写真!!!」
 
「ダーリン!!!!!!!!」
 
ドバババババババババババババババ
 
 
 
その挽、あたるが真っ黒こげになったのは言うまでもない。
 
結局ラムはあたるに同じ指輪を探して、ペアリングとしてプレゼントをした。
(リンちゃんと自分が一緒に写ってる写真も添えて。)
 
しかしあたるはなかなか人前で指輪をつけようとしなかったのでみんなペアリングとは思っていないようだった。
 
「2人だけの秘密みたいだっちゃねvvv」
 
ラムが自分の薬指につけてある指輪を見てまじまじ言った。
 
「何がだよ??」
 
 
「うふふっ。何でもないっちゃvvvvvv」             
 
 
*おしまい*



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